「泳遠」
vocal ( 5.1MB / 4:22 )
dub ( 5.1MB / 4:22 )

lyrics by shing02
orchestrated by Vector Omega
drums by Motoki Yamaguchi
percussion by Zeke Nealy
fender rhodes by Doc Max
shakuhachi elements by Philp Gelb

recorded and mixed at Annen Annex. Oakland, CA
dub mix by Shuichi Sugimoto

* * *
「泳遠」

真っ黒な青空 瞼の裏
に焼き付けた影を ほら
御覧、積々乱雲
綿よりも白い白 天空の動く城
生きた輪郭を追う目線
囲まれて固唾を呑む大自然
尊び、風を背中で受けて一飛び
まるで服部の氏
息を伝って 行先を探る
現在を旅する 是非を訪ねる
答えは、相と否の他にある
答えは、肺と肺の間にある
神々の宿る島
それは沖合に浮かぶ 笹の葉
晴れた朝にくっきりと見えたが
細波の屏風に遮られて消えた、佇まい
この身は只の仮住まい ならば心も滅ぶまい
人の類い、禊を経て
清められた魂から迸る意志と
柵(しがらみ)を抜けて、巡る血潮
誘いを受けて、振れる命
いざ、開け三重の門
海に還る進化論!
運と肝試す気も漫ろ
陽炎に似て揺らぐ詩心
太陽に鞣されて、光る面
額に滲む 汗の斑
目の前で唸る波打ち際
吸い込まれて行く、時の砂
背後に迫る 虚ろな庭
灰色に映る 水鏡の向こう側

飛魚の如く 水を切る様
荒波を弾く 肌に水玉
粗い網目を貫く小刀
生で研ぎ澄まされる鈍ら
迫り来る 襞に身を投じて
裂きまくる、辛うじて
縋る衣服と飾り物は
邪魔になり剥ぎ取り、藻屑と消える
裸我!裸我!
境目が溶けて行く
星座を真似て動く微生物と共に、
犇めく思考の隙に
付け入る 意図の井戸の濁り
奥底に潜む 魔物の群れ
膨らみ始める 闇の恐れ
下から見れば 恰好の餌食
上から見れば 滑稽な飛沫
大海を知るオタマジャクシの尾ひれに
代わって授かる手足 
藻掻く程、遠退く目標
慄く前に模索する方向
後ろ髪引く手数多 諸共斬って先を見据えたい
いっそ、背も平も自由形
泳ぎ続ける理由を見付けたい
おう 言語の原点に戻り叫ぶ
限界の玄関で鈴を鳴らす
原始と現代に橋を渡す
遺伝子が全身に指示を流す
 

遠くまでずっと沖まで
届くまでもっと奥まで

 

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