ADULTS ONLY

僕の中で大人とは、自分より年上の人間のことを指してきた。この計算だとずっと大人になれないけど、そのギリギリの淵で生きて行きたい。今までに色々な大人を見てきて、良いお手本も反面教師も、それぞれの役目を果たしている気がする。日本は年齢の上下関係が最も厳しい国。だからこそ、大人も子供もお互いから顔をそむけてはいけないと思う。僕達も、大人に何かを要求するときは、先に同じことを若い人にしてあげなければいけない。

大人とは、選ぶことを自覚する人。若者にとって、家族や学校以外の基準で判断されることは、新鮮でもあり、残酷でもある。友人、仕事、服装、言葉使いを好きなように選び、そして状況に応じて使い分け、責任を持てる人間がどこでも通用するのだ。 世の中には「したいこと」と「しなければいけないこと」がある。子供時代は、前者が占める割合が多く、大人になれば後者が増えて行く。社会という圧力鍋にどう対応するかが、どのような成人になるかを決める。変化を受け入れるか、抵抗すべきか。ここに青年の悩みが生まれる。世間は見渡す限り矛盾の海。でも希望はある。「権利」と「義務」、言い換えれば「好きなこと」と「仕事」を融合させることに成功した者こそが、人生の要求に勝つ大人になれる。

世界には、働かされる子供もいれば、仕事を失う大人もいる。与えられた仕事をこなすだけでなく、その範囲以上の仕事を受けて立つ人間は、信頼を集める。自分の成績のみならず、他人や組織を同じくらい大事にできる人は、周りから求められる。これは企業だけでなく、音楽やスポーツなどでもまったく同じだろう。しがらみを気にして生きるのは辛いが、嫌なことを乗り越えてこそ、自分の守るべきものも見えてくる。

生理的に言えば、大人とは、子供がつくれるということ。赤ちゃんは、産まれる前に遺伝子を両親から、体を母親から授かるが、魂は天から授かるのだと思う。だからこそ、あなたにはあなただけの心がある。人生の門出に、誰もが考える。自分には何が向いていて、これからどうやって飯を食っていくのだ、と。あるいは、自分は何者で、どこから来て、何のために生きているのだ、と。答えはすぐに見つからないかもしれない。しかし、その問いを忘れるような大人には、ならないで欲しい。