Shing02
"振動_LIVE"


produced by vector omega
(shakuhachi elements by Philip Gelb)
recorded live (with DJ Top Bill)
at CAY (Aoyama, Tokyo) 06.18.05 "Heart Of The Planet Earth"
mixed and edited at annen annex. Oakland, CA
photo by Ayako Yamamoto
special thanks to Sumire Matsuda

(ライブ音源のため、多少のノイズが含まれていますがご了承ください)

download (6:22 / 7.28MB)

 

「振動」

僕の横隔膜から君の鼓膜まで 音波に乗って伝える振動
その間に、何が起きているのかを 噛み砕いて説明しよう
以心伝心 電気信号 宇宙の果てに呼応する心臓
一部始終 電気信号 異次元往きの銀河鉄道

頭脳から脊髄に降りる命令
その前に 遡ればふっと湧く 精霊のような感情
おっとこの時点で、まだ言語中枢の入り口で足踏み
選ばれた者だけが読む暗号化された恋文
のような抽象的 でも原始的な欲望
天国は混浴の露天風呂
ナナナ懐かしい感じ、まるで忘れてしまった常用漢字
一生懸命に、考えても白紙の解答は同じ
ここで登場 子供時代の自分
に話しかける勇気を持った、今の大人の自分
「どうしたの」と、声をかけても、その子は黙りこくってしょんぼり
「お前にはがっかりだ」と、言わんばかりの細っそい眼差し
あ!胸を突く雷 痛い所に更に、冷たい風の追い打ち
おい、ここで負けたら惨め組の仲間入り
これからの夏は自分の夢のお墓参り?
あーやだやだ、散らかった文を原稿に起こす
拳骨で起こす、居眠り
瞑想の中で子供に戻って、一緒に遊んだ一時
さあ、糸で繋げた花札と歌留多
拍子に乗っかるように、言葉に調子をつけた
すると歌詞は歌ってくれと訴えた
狼狽えずに分かつたと答えた
歌詞は歌ってくれと訴えた
狼狽えずに分かつたと

こうして僕は、言葉を発する
正確には呼吸の器官を
使って 声帯を振るわす
顎と舌の共演で奏でる
あ、あ 空気が反応する
宇宙でたった、一つの楽器の音色を堪能する
さあどうする、音声拡張機を握る
運動会の開会式みたいに、見渡す限りの聴衆に演説を投げかける
注目して鑑賞する人々に、暗誦して畳み掛ける
極々小さな膜が小石を、飛ばした水面のやうに
細かく刻んで電気語に同時通訳
ツートンツーツーカー
信号が、金属の管を瞬時に走り抜ける
ドクドクドク動脈を満たす赤血球の如く鮮やかに。
さて、回路の中 紆余曲折、変圧、増幅、された周波数
出口に辿りついて一斉に緑の火を灯す チカチカ
再会を誓って、二手に別れる双子の音声
右と左の再生装置から、飛び出す音圧
ば、ば 君の左右の外耳に飛び込む
ぱっと塞いでも突き破って悠々と滑り込む
どんどこ鼓膜を太鼓みたく叩く、
衝撃は裏に伝わる
つち、きぬた、あぶみ、かたつむり
次来たらまずは目をつむり、
あいうえお 母音母音
頭に響く 余韻余韻
脳に直結二万個の知覚細胞を愛撫
こそっと話しかける
新たな記憶が痙攣する
経験が長ける今夜は 酩酊と恍惚に乾杯
古代に伝わる祠を参拝
ぽつぽつ頭に滴る雫、額の蕾が開花する
和らいだ表情を見ながら、熱視線で会話する びびびび
目と目が合えば通じ阿吽 呪文を唱えて封じ阿吽
市松模様の目眩がする 全体のぜんまいが進化する
時は凍りつき、循環を開始する この瞬間を愛する
時は凍りつき、循環を開始する この瞬間。

み言葉だけでこれだけの力を発揮できることこそ
人の個性と知性の証明
受けた光は何倍にも反射、
この世に産まれて来て、死ねることに感謝ス
乱射する音の散弾丸
毎日が、青空学校の授業参観
夜空に捧げる直談判 二枚挟みで着る看板
夜空に捧げる直談判 二枚鋏で切る
月片に要を据えて シンニョウに首を探そう
倉の中に籠り気味の君に、草かんむりを授けよう。
蒼く輝く星を住処に する者としても速やかに
蒼く輝く星を住処に する者としても速やかに
都心に構える巨大な音叉 目がけて送信、八方連鎖
都心に構える巨大な音叉 目がけて送信

僕の横隔膜から君の鼓膜まで 音波に乗って伝える振動
その間に、何が起きているのかを 噛み砕いて説明しよう
以心伝心 電気信号 宇宙の果てに呼応する心臓
一部始終 電気信号 異次元往きの銀河鉄道

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