fuku


福の島よ
喜びと幸と優しさに満ち
美しい景色、手で摘んだ美味に舌鼓
祖母の味、母が継いだ味
友達は週末の旅に、それは素敵な春に
太陽を浴びて、僕はゆっくりと
風鈴のようにくつろいでいる
自然の導くまま、田舎道を走って
太平洋波をを臨もう
ところがある3月の午後、金曜の3時前
世界と言うお椀のひっくり返された
皆が避難所で自分の部屋を懐かしんだ
巣は壊され木々は流され、この地に何も残らず
濡れた縫いぐるみのように乾かさなければ
考える時間もなければ、まばたきもできない
点火された蝋燭の芯が風前で揺れている

波は蕩々と押し寄せ
電源を引っこ抜いて、メモリを強制終了した
コミュニティを廃墟に、悲劇は礎を揺るがした
家族のために連絡を取り次ごう
モバイル握りしめ彷徨う人々
危機に何を一番に考えるのか、
それは命

空(うつ)の島よ
誰がこんなことになろうかと考えた
当たり前のように存在を気にもかけなかったものの大切さよ
最も忘れていた頃に、絆を無くし
目を背けようとも忘れることは容易くない
さらにニュースが飛び込みその嘆きは世界中へ
古い樹は朽ち
幹は折れ
弾けた種より熱い花粉が吹き飛んだ
地球の四方から善意が届く、点滅する信号に
くじかれた希望を立ち直らせる弛まぬ努力
明日のために冷酷な事実に呑み込む
惨事の様子が以心伝心
恐れを追いやり涙を拭い、無関心を捨てよう
お互いに教え、お互いから学び
風にのってやってくる悪に立ち向かおう

再生は
立ち上がって戦う道具と書を手に取った日から始まる
この部隊には紋章も勲章もない
僕たちが立つ時間軸は一方向だが
授かった遺産は円を描く
神聖であり、奇跡である
子供を一人残らず励まそう
旅は彼らを待っていると
何兆もの惑星に溢れた銀河を往く
遥か遠くへ
そして流れ星に出会うかもしれない
恋に落ちて、いつの日か命を繋いで行く
そしてタイムラインに君が現れた僕の喜びを分かってくれるだろう
タイムラインに君が現れた僕の喜びを分かってくれるだろう

福の島よ
喜びと幸と優しさに満ち
美しい景色、手で摘んだ美味に舌鼓
祖母の味、母が継いだ味
友達は週末の旅に、それは